AEROPRES

2024年09月19日 10時36分

ヱヴァンゲリヲン新劇場版のカラー、 500TB超の膨大な作品資産アーカイブに、Wasabiクラウドストレージを採用

QNAPと組み合わせて、ストレージ環境を刷新 HDDの障害対応、データ消失の不安から解放され、運用管理負荷を80%減
ITインフラのソリューション・ディストリビューターである株式会社ネットワールド(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 芹澤 朋斉 )は、映像制作会社の株式会社カラー(本社:東京都杉並区、代表取締役社長 庵野 秀明)のストレージ環境再構築プロジェクトにおいて、ネットワールドの提供する米Wasabi Technologies社製クラウドオブジェクトストレージサービス「Wasabi Hot Cloud Storage(以下、Wasabi)」が採用され、稼働開始したことを発表します。

カラーは、多数の作品の静止画や動画ファイルなどをアーカイブしており、その容量は500TBに上ります。従来は、多数のHDD、SSDから構成されるQNAPのNASストレージ(台湾QNAP Systems社製)をオンプレミスで運用していましたが、HDDの不具合が生じる度にデータ消失の不安に苛まれ、また交換に1~2週間を要する上、リビルド中はNASのパフォーマンスが落ち、社内ユーザーの業務効率に影響を及ぼすという課題がありました。さらに、保守満了に伴うリプレースメントの際、オンプレミス環境間でのデータ移行に6カ月もの期間を要するという課題もありました。そこでメーカー保守満了を迎えた2023年、ストレージ環境の抜本的な刷新に着手しました。

新しいストレージ環境は、アーカイブ用のクラウドストレージWasabi と60TB のQNAP NASを接続しています。Wasabiは、下り転送料やAPIリクエスト料金が発生しないためシンプルにコストを見積もることができること、QNAPと連携し易いことが選定の決め手となりました。データ資産をWasabiにアーカイブすることで、HDD障害対応から解放されると同時に、Wasabiは、管理画面が分かりやすく操作性に優れていることから、ストレージの管理運用負荷が約80%軽減されました。

システムの提案・導入は、ネットワールドのパートナーである株式会社Too(本社:東京都港区、代表取締役社長 石井 剛太)が担当し、Wasabiの導入実績が豊富なネットワールドの充実した技術支援が高く評価されています。


◆ 導入の背景
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映像作品の企画・原作・脚本・デザイン等の開発、ならびに製作・宣伝・配給を手がけるカラーは、2006年の設立以来、「エヴァンゲリオン」シリーズを始めとする多数の作品の静止画や動画ファイルなどをアーカイブしています。過去の作品も、新たな形で様々に商業利用することもあり、重要な資産であるこれらのファイルは消去されることがないため、新しい作品が制作される度にデータ容量は増え続け、現在の容量は500TBに上ります。

従来のストレージ環境は、QNAPのNASストレージをオンプレミスで運用していましたが、アーカイブ容量が膨大なため、全体でHDD60本、SSD12本という大規模な構成になっていました。冗長構成を組み、HDDの不具合が生じると新しいHDDに交換していましたが、重要なデータを消失するリスクに対する不安が常につきまといました。また、1本のHDDに収めているデータ容量が大きいため、新しいHDDにデータを復元・再構築するリビルドに1~2週間かかり、さらに、リビルド中はNASのパフォーマンスが落ち、社内ユーザーの業務効率に影響を及ぼすという課題がありました。さらに、保守満了に伴うリプレースメントの際、オンプレミス環境間でのデータ移行に6カ月もの期間を要するという課題もありました。そこで、メーカー保守満了を迎えた2023年、ストレージ環境の抜本的な刷新に着手することになりました。


◆ 新システム選定のポイントと導入効果
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新しいストレージ環境は、アーカイブ用のクラウドストレージWasabi と60TB のQNAP NASを接続しています。当初大手パブリッククラウドのクラウドストレージを検討しましたが、ストレージ使用料金に加え、データを取り出す際にも料金が発生するため、作品を再展開する際などにアーカイブデータをダウンロードする頻度が高いカラーにとって、月額ダウンロード料金を予測できないことがボトルネックとなりました。これに対して、Wasabiは、下り転送料やAPIリクエスト料金が発生しないのが特長で、シンプルにコストを見積もることができます。

Wasabiの無償トライアルによる事前検証では、WasabiとQNAPの接続が非常に容易であり、万一、QNAPに不具合が生じた場合でも、新しいQNAPに迅速に変更できることが確認されました。また、オンプレミスシステムと比べても、ほぼ遜色ないレベルのパフォーマンスが得られました。
カラーは、2023年12月にシステムテストを終えた後、今年に入ってWasabiへのデータ移行を開始。1Gbpsのインターネット回線を使い1日約3TBの高速転送により、6月時点で300TBの移行が終了しています。現在、10Gbps回線を準備中で、それが開通すればさらに転送スピードを上げることができます。

データ資産をWasabiにアーカイブすることで、HDD障害対応やハードウェア更改対応から解放されると同時に、Wasabiは管理画面が分かりやすく、操作性に優れていることから、ストレージの管理運用負荷が80%ぐらいは減るのではないかと期待されています。また、HDDの不具合の度に悩まされてきたアーカイブデータ損失の不安からも解放されました。

カラーは、複数の制作拠点があり、主要な拠点とは専用回線を敷設してアーカイブデータを利用できるようにしていましたが、新しいストレージ環境により、インターネット回線だけで、どの拠点からもWasabi上のデータを利用することが可能となります。また、カラーは、Wasabi上のデータを2次アーカイブするという案も検討しており、オンプレミスで大量のハードウェアを運用管理する負荷が減ったことで、こうした発展的な企画を考えられる余裕が生まれており、今回のストレージ環境刷新プロジェクトを高く評価しています。


◆株式会社カラー
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https://www.khara.co.jp/ 
創立:2006年5月17日
業務内容:映像作品の企画・原作・脚本・デザイン等の開発並びに権利保有、映像作品の製作並びに権利保有、作家の育成、マネージメント並びに権利保護

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■ 株式会社ネットワールドについて
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https://www.networld.co.jp/ 
株式会社ネットワールドは、ITインフラストラクチャーのソリューション ディストリビューターとして、クラウド コンピューティング時代の企業IT基盤を変革する技術製品と関連サービスを提供しています。サーバー、ストレージやネットワーク、セキュリティ、そしてアプリケーションやデスクトップの仮想化に早期から取り組み、次世代のITインフラストラクチャーのあるべき姿をリードしています。

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